奇跡の柚子ジャムレシピ
2024年01月07日
三が日明けに、大家さんからご実家の庭の柚子を分けていただきました。小振りだけど素晴らしく香りのよい柚子で、ほどなく事務所じゅうが柑橘の芳香で満たされたほど。柚子ってこんなになんともいえない甘い香りだったっけ? 柚子を入れていただいた紙袋にもよい香りがしっかり移っていました。
さて、これでなにを作ろうか? 柚子なます、柚子茶、柚子酒、考えた末、なるべく長くこの香りを味わいたくて、まるごと使って柚子ジャム(マーマレード?)を作ることに決めました。
帰宅してすぐに果皮を洗い、瓶にまず果肉と果汁、次いで刻んだワタと若干の種を入れた上からドドドッときび砂糖を入れて覆い、その上に適度な厚みにスライスした果皮を入れてまたドドドッと砂糖でフタ。冷蔵庫にたまたま香りのよい甘口ワインが残っていたので出来心でタラリと注いで蓋をしました。サァこれを一晩置いて鍋で煮詰めたら…
おや待てよ、本当にこんな作り方で大丈夫なの?
たしか3年ほど前に文旦の果皮だけ砂糖で煮たら、美味しそうな見た目に反してびっくりするほど苦いマーマレードが出来上がり、1瓶完食するまで毎朝苦行じみた気分で文旦ヨーグルトを食べ続けたっけ。あのとき「柑橘の果皮は要注意」と思い知ったのに。
早速おそるおそる柚子ジャムのレシピをネット検索してみると、多くの投稿で「苦味を回避するために最初にまるごと茹でる」ことを推奨していました。あかん、遅いよ、もう全部刻んで砂糖に漬けちゃったよ。
無精者の私はレシピを確認しながら料理することなんて滅多にないのですが、隙間時間にCOOKPADのレシピを流し読みするのは大好きで、この砂糖漬けまでの過程は多分、いつか読んだレシピの記憶の集合体なんだろうな…つまり思い込みのデタラメなレシピです。
翌日帰宅すると、瓶の中で美味しそうな柚子シロップが出来上がっていました。このままでいいかな?とも思ったけれど、とはいえジャムは諦めきれません。そこで、イチかバチかシロップの中から果皮だけとり出して絞り、サッと茹でこぼしてから、あらためて残りのシロップと合せて煮詰めてみたところ、あっという間に過去イチ香りたかく美味いジャムが炊きあがったではありませんか。
びっくり!そしてうれしい!
行き当たりばったりのデタラメな調理過程でしたが、きっとなんだかよくわからない偶然が重なり合って、結果的にこの仕上がりに辿り着いたにちがいありません。おそらくこれは、同じ作業工程を忠実になぞっても二度と再現できない奇跡(!)のレシピでしょう。
またとない柚子をちゃんと活かせてホントによかったー。