書肆つづらや

親密で、濃密で

2022年12月26日

先週の火曜日、幕末期大庄屋の慶応四年日記を翻刻された某資料館の学芸員さんからお話をうかがう機会に恵まれました。大庄屋家のお屋敷は今もご近所に残っていて、資料館の方たちはその家の末裔の方々とも親しい交流があるそうです。学芸員さんが次のようにおっしゃったのがとても印象的でした。

「個人的な日記ですから、誰はばからず見たまま感じたままに綴っていたようで、感情が昂ったところではグッと筆圧が高くなっていたりしてね。家文書の中には筆者の写真も残っています。私、目が合った瞬間『頼むぞ』とグッと睨まれたような心地がしましてね、これは責任重大だと覚悟しました。なんだかまるで今ここに生きている人と約束したような気持ちになりましたよ。」

なんて親密で、濃密で、少しだけ恐ろしげな間柄でしょう。

ご当地に留まり得た史料は本当に幸せだなあとあらためて思いました。

 

さて、このサイトも本日無事公開の運びとなりました。

なにとぞご愛顧のほどよろしくお願いいたします。